蒼雪庵

いまだに推敲中

あとがき 

諸君、よくぞここまでたどり着いた。

私は王の中の王、竜王のひまごである。

この作品の最終章で蒼雪が構成上私のエピソードを入れられなかったため、急遽あとがきに抜擢されたのだ。愚かな奴だが、まあよい。

私の語りで読めることを光栄に思うがよい。

あとで恥をかくのは蒼雪だがな。こんな書き方をして…。読み返すのが恥ずかしくなるだろうに。

世間がドラゴンクエストⅡをやっていた頃、蒼雪はかの悪名高き「元祖西遊記スーパーモンキー大冒険」をやっていた…。

しかしその後ドラクエⅡと運命的に出合いを果たし、以来Ⅱを愛してやまぬ。

それからドラクエシリーズのファンとなった蒼雪は、当時エニックスが出版した公式のエピソードブックや小説を買いあさり、ドラクエ世界に没頭するようになった。

だが、公式と銘打った「小説ドラゴンクエストⅠ、Ⅱ、Ⅲ」の出来があまりに悪かったため、当時小学生だった蒼雪は、それなら自分で書く!と、自らⅡの小説をノートに書き始めたのだった。思えばこれが、蒼雪が小説を書くきっかけになったのだから面白い。

2016年はドラゴンクエスト30周年の年だが、昨年から今年にかけてこの作品を書いたのは全くの偶然である。

十何年前のファミコンのゲームの小説に需要はほとんどない。にもかかわらず書きたくなったのは、蒼雪にずっと、書きたかったあるテーマがあったからだ。

それは、「ローレシアの王子たちがなぜ世界を去ったのか」。

吉崎観音のマンガ「ドラゴンクエストモンスターズ+」における4巻と5巻のエピソードで、ローレシアの王子が破壊神を倒した力を一般大衆に恐れられ、居場所をなくして国を出てしまうという話があった。

また、ゲーム「ドラゴンクエストキャラバンハート」では、王子たちが世界を平和にしたあと、国を継がずに行方不明になっている数百年後の世界が舞台になっている。

 

Ⅱのエンディングは、ローレシアの王子が父王に王位を継がされるところで終わる。

主役が姫、もしくは王子と結婚するだの、王様になるという西洋的おとぎ話のパターンだ。

子どもだった蒼雪はその結末に疑いを持たなかったが、大人になった今エンディングを見ると、ずいぶん強引だなと思っていた。(制作期間の短さで話などを練られなかったこともあろうが)

 

だから、上記2作品での世界観と彼らの結末を知って快哉を叫んだものだ。

よく描いてくれた、と。

理想なら、「王になった王子は仲間二人と共に、長く王政を築き幸せに暮らしました」となり、何百年も王国が続いた、とされるだろう。

しかし、ドラクエの世界は諸行無常感が強い世界である。Ⅱでロトの剣の威力が稲妻の剣に負けているように、あるいは呪文の威力がⅢより弱くなっているように(この点は、Ⅰ,Ⅱ,Ⅲの制作計画や期間などの事情によるが)、何もかもが永遠とはならない。

現実の世界でもそうだ。同じ政権が長く続いたためしはない。

Ⅱのエンディングで約束された永遠の幸せ(疑問形)が、発表された作品である意味否定されたのである。

よってキャラバンハートの世界観に否定的な意見も多かったらしい。

だが、このシナリオを書いた人は、むしろドラクエⅡを愛していたのではと思う。

そうでなければ、舞台にⅡを選ばないだろう。奇しくも、キャラバンハートの主人公、Ⅶの主要キャラ・キーファは、自分が王位を継ぐのを良しとせず、自分の居場所を探し続ける少年だった。

Ⅱの王子たちが行方不明になった理由。それはキーファと似たものではなかったのか。蒼雪はそう考えるようになった。

吉崎観音もⅡのファン、特にサマルトリアの王子が好きであろうことは、作品から見て取れる。同じファンとして嬉しい限りである。

それを自分なりに書いてみたいと思ったのが、作品執筆のきっかけである。

書くぞとネットの友人に宣言したら、「それは楽しみです」という返事がきたが、ほとんどの人がサマルトリアの王子加入までで、あとは読んでくれている気配がなかった。

作者の実力不足が原因だが、やはり題材がドラクエⅡという昔のゲームであることが理由のひとつであろう。

蒼雪とて、仮に友人が映画スターウォーズの2作目を異常に愛し、その2次小説を書いていると知ったら、友人の義理で読みに行くが、本当にそれを面白いと思うかは別だからである。

なぜなら、蒼雪はそこまでスターウォーズに詳しくないし、ファンでもないからだ。

かなり昔のゲームを題材にしたこの作品も、ほとんど需要がないというのはそういう理由である。よって、友人らを責める気持ちは全くない。

 

しかし書き手というのは、自分が書きたいから書くものだ。読者がいないとへこむ部分もあるが、一応最後まで書き切れて蒼雪は満足している。

不出来な部分も多く、脱稿したとはいえ、これから地道な推敲作業をしなければならない。電波なセリフや未熟な描写など、直すところはたくさんある。文字の大きさも小さい回が多く、見苦しい点はじきに直すので許してほしい。

 

ともかくは、これで本作品は終了となる。

作品の感想は読み手の諸君が独自にどこかで書いてほしい。

作者は極めて打たれ弱く、その弱さたるやサマルトリアの王子並みなので、モチベーションを保つため、あえてここでのコメント欄は閉じている。

少しでも面白いと思われたら、この上なく喜ぶであろう。

 

今度はいつ小説を書くかわからないが、それまで諸君も元気でな。さらばだ。

 (※文中、敬称略)

 

 

 

 

 

 

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