蒼雪庵

いまだに推敲中

DQⅡ自作小説

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・155

流れてくる黒煙を追い、二人が慌てて厨房へ降りると、扉を開けられたルナは「だめっ!」と叫んだ。「来ちゃだめ、お願い!」「だって、煙が!」「魔物が出たのか?!」 ランドとロランが口々に尋ねると、ルナはしとやかな頬を真っ赤にしてぶんぶんと首を振っ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・154

「すべての戦いが終わったら、あの宝を運び出した方がいいかもしれないな」「ああ、オークキングの?」 察しのいいランドに、ロランは微笑みかける。「うん。あれは長年かけて、オーク達が人々から奪ったものだし……あれだけあれば、邪教団に襲撃された村とか…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・153

【最後の航海】 冬の日差しは、真昼でもどこか薄暗い。 ローレシア城入り口に立つ若き衛兵は、いつもと代わり映えしない城下の街並みを眺めながら、早く春が来ないかと思っていた。 比較的温暖なローレシア地方とはいえ、厳寒期の寒さはムーンブルク地方を上…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・152

「遅いッ!!!」 聖なる祠を守る壮年の賢者は、上品な顔を怒りに染め、勇者の子孫3人を怒鳴った。ロラン達は身を縮めて、素直に叱責に耐えるしかなかった。 ロトの鎧を入手したロラン達は、ロンダルキア登頂をいったん中断し、ランドのリレミトの呪文で洞…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・151

「よかった、無事で……」 たおやかな手で、ルナは鎧の肩当てをなでた。ランドが嬉々としてロランを見る。「ねえロラン、さっそく着けてみなよ!」「えっ、今か?」「そうだよ、せっかく見つけたんだしさ」「そうね、私も見たいわ。ロランが身に着けたところ」…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・150

オークキングの槍がロランの右肩をかすった。真空波が生じ、ロランの頬を切り裂く。辛うじて顔を逸らし、浅い傷で済んだ。もし逸らすのが遅れていたら、顎の骨まで切り裂かれていただろう。「はあっ!」 相手の攻撃が終わった直後を見計らい、ロランは跳躍し…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・149

声は、猪がうなる声に似ていた。がちゃがちゃと杯が鳴り合う音もする。 強い獣臭が鼻を突く。そこに酒精が漂い、肉を焦がした臭気も混ざり合って、胃がひっくり返そうになる。ロラン達はとっさに口と鼻を片手で覆っていた。死臭とはまた違ってひどい臭いだ。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・148

【巨猪の王】 長い階段をのぼって3階に上がると、洞内に詰まっていた死臭が薄くなった。 死肉や血液、臓腑、糞尿が混ざり合って腐りゆく臭い。それを初めて嗅いだのは、滅ぼされたムーンブルク城でのことだった。 吸うと鼻腔や肺に突き刺さり、腹に鉛のよう…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・147

「……さっき、そこから入ってきただろう? ほら、その右手の」「そうかしら? この戦いで、私達、結構動きまわってたわよ。位置がずれたかも……」「まさか……」 ロランは、もと来た方だと思われる出入り口を見た。まあまあ、とランドがなだめる。「あまり深く考…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・146

【鏡合わせの回廊】 1階に戻ると、そこからすぐ北側に上り階段を発見した。迷宮の多くは正しい順路が遠回りに造られているものだが、まず目に付いた階段から行くことにする。 上っている間、ロラン達は無言だった。 地下1階で出会った男の話が、ずっと頭の…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・145

「私のほかに、大勢の人がいました。魔物は雪の上に私達を下ろすと、ハーゴン様の神殿まで歩けと言いました。みんな薄着で、厳しい寒さの中を歩くなんてできないと泣きましたが、魔物は人が苦しむのを見るのが楽しみなのです……」「……ひどい」 ランドがぽつり…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・144

【命の紋章】 闇の中は濃い死臭に満ちていた。空気は淀んで冷たく、骨の芯から凍りつきそうな冷気が漂っている。ランドが灯明の魔法を使って、ルナのいかずちの杖の先に広範囲を照らす灯りをともしたが、闇はなお深く、先を見通すことはできない。 ロンダル…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・143

ロラン達は半日かけて深い森を抜けた。木々の隙間から見えていた青空は次第に曇り、盆地に広がる枯れた平原を薄暗く見せていた。 盆地の周囲は峻厳な岩山に囲まれている。ロラン達から北側にひときわ高くそびえる山々が、目指すロンダルキア台地だ。 3人は…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・142

結界を抜けると、薄暗い小部屋に青白い光の渦があった。これが、かつてハーゴンが開いたという旅の扉だ。「行くぞ……」 ロランは二人を振り返る。ランドとルナはうなずき返した。ロランは息を吸いこみ、旅の扉に足を踏み入れた。 軽く目が回るような感覚がし…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・141

【魔界の門】 ベラヌール監獄は、朝日に輝く湖を背に堅牢な姿を見せていた。ロラン達が門衛に近づくと、彼らは無言で道を空けた。町を治める法王ハミルトに言い含められているためだ。 ハミルトは、ロラン達がハーゴンに近づく手がかりを探すためにベラヌー…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・140

船は茫漠とした白い空間に浮かんでいた。(ここは……) ロランは甲板の上で、ぼんやりとあたりを見回した。濃密な乳色の靄(もや)が広がり、かすかな波の音でどこかの海上だと気づく。 朝日が世界に色彩をもたらす直前の、無のような白の時間帯だった。 ロラ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・139

第三章 ロンダルキア 【漂流】 ミチカの夜泣きが治まらないので、マリサはミチカを抱いて、集合住宅から表へ出た。避難民のために造られた仮のすまいは、壁一枚隔てた一部屋が連なる長屋である。天幕より安心できる空間だが、壁が薄いので子どもの泣き声は隣…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・138

「……」 ルナは苦しげにうつむいた。「魔物が出て来た!」 傍らでランドが悲鳴を上げる。魔界から召喚された魔物の群れは、門が狭いらしく、入り口まぎわでひしめき合っていた。邪悪な産道を広げるべく、地獄の使いの呪詛が大きくなる。 ルナは決然と顔を上げ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・137

地下5階。溶岩の海を抜けた場所にあった階段を下りて、溶岩に囲まれた曲がりくねった長い回廊を渡る。これまでの空間は自然洞を生かした造りだったが、ここは整然と壁や床が平らに整えられていた。「嫌な気配がする……」 すぐ後ろを行くランドがつぶやいた。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・136

だが、洞窟は予想以上に複雑な構造を成していた。いくつもの分かれ道と広大な空間に点在する下への階段に惑わされ、やっとたどり着いた地下4階には、さらに広い溶岩の海があった。「もし地獄があるんだとしたら……ここかな……」 疲弊した顔で、ランドが溶岩の…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・135

勾配を下るにつれて熱気はひどくなってきた。入り口付近にもうもうと立ちこめていた湯気は程なくして消え、皮膚が剥けそうな熱波に変わる。真っ暗な隧道(ずいどう)の先に、鮮やかな橙色の光が照り返している。「これは……」「溶岩、だね」 降りた先は、灼熱…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・134

【海底洞窟】 氷雪に閉ざされた静寂の地。そこに立つ双塔を揺るがすのは巨獣の咆哮だ。 ハーゴンの神殿の、どことも知れぬ大広間で、赤銅色の巨人アトラスが吠えていた。四肢を壁と床から伸びる棘付きの枷で戒められ、鎖を引きちぎろうと暴れ狂っている。 お…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・133

その日は、羽衣が仕立て直されるまで、村の湖畔を散策しながらのんびりと過ごした。 夕方の刻限にモハメを訪ねると、約束通り、見事なケープに直されていた。丈はルナのふくらはぎまでで、首元に金の留め金をあしらっていた。「あの、お礼を……」「いらん」 …

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・132

【水の羽衣】 月のかけらを手に入れたロラン達は、ルーラでテパの村へと戻った。その晩は宿に一泊して疲れを取り、翌朝、モハメの家を訪ねた。約束の日まで1日余裕があったが、様子だけでも知りたかったのだ。「ごめんください」 家の前で、ロランはそっと…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・131

宝はわざと遠回りさせる――。 以前ランドが言った名言は、この塔にも生きていた。銀の扉に閉ざされた秘密の階段を見つけたロラン達は、そこから1階まで下り、ついに塔の胎内へたどり着いた。「ここか」 ロラン達は扉を見上げた。両開きのそれには、海に浮か…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・130

塔は狭く、階段の数は多かったが、罠や仕掛けはなかった。ただ、現れる魔物の数は多彩で、悪魔神官に似た仮面の魔物・地獄の使いや、翼竜バピラス、ゴールドオークや腐った死体など枚挙にいとまがない。 次々と襲い来る魔物達に、さすがのロラン達も徐々に疲…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・129

【満月の塔】 満月の塔へ入るためには、大陸の川からさかのぼって、塔のある島へ侵入しなければならない。 ロラン達はまず、ルーラでペルポイの町まで行った。その船着き場から大陸沿いに北へ進み、塔へつながる河口から上流へ向かった。そして、およそ5日…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・128

【水門を開く】「引き受けてくれてよかったね。10日は長いけど、羽衣ができる時間にしては、すごく早いよ」 モハメの家を出て、ランドが言った。「そうね。織物って普通、何か月もかかるものだし。それに、待ってる間、私達にはやることがあるからちょうど…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・127

【ドン・モハメ再び】 聖なる織機を携えたロランが古びた戸をたたくと、仏頂面の小柄な老人が無言で現れた。「何の用じゃ」「聖なる織機を持ってきました」 真昼の光を背に、ロランは穏やかに答えた。老人――最後の匠であるドン・モハメは、ロランの背に輝く…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・126

悪魔神官デモニスとの戦いで愛用の鉄の槍を折られたランドは、ローレシア王から光の剣を譲られていた。 光の剣は、人が作り出せる武器の最高峰だ。ペルポイの町にも売られていたが、値段も相まって、所持する者は世界にわずかしかいないだろう。 先の戦いに…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・125

【北のお告げ所】 船は藍色の海を進んでいた。冷たい風を首筋に受け、ランドがううっと肩をすくめる。「本格的に秋だねえ。ロンダルキアも寒い所だっていうし、全員分のコートが要るね。山越えの準備もしなきゃ」「そうだな。どこかで調達しよう」 甲板でラ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・124

「父上」 食事が済むと、ロランは父を呼び止めた。「少し、お話が……」「うむ、わしもそうしたいと思っていたところだ」 目が合うと、父はそう言ってうなずいた。ランドは、気を利かせて客室へ戻っていった。 王の居室にある露台で、ロランは父と共にローレシ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・123

【ロトの印】 ルナは落ちこんでいた。 これまで、どんなことがあっても食事は欠かさなかったのに、その夜は部屋にこもって出てこなかった。「あとでわしがゆっくり話そう」 ロラン、ランドと夕食を共にしながら、ロランの父は言った。 悪魔神官デモニスを討…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・122

「そろそろ往生なさい。憐れなロトの末裔よ!」「あなたに憐れみをかけられるいわれはないわ!」 ルナは魔道士の杖を投げ捨てていた。肩からかけた杖の鞘から、潜ませていた短剣を抜く。刃渡りも合わせて大人の手から肘ほどもあるそれは、邪悪を退ける銀で作…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・121

結界牢は、城の東側にある囚人用の牢獄に設けられていた。 ルナが報告したムーンブルク城襲撃の内容から、悪魔神官が尖兵となって、内側から突き崩す奇襲が常套手段と王は予測した。魔法の無効化もする強力な魔物相手だ。完全勝利できなかった場合、ここに封…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・120

【解放】 鉄格子の前に立った少年達を見て、囚人は暗い顔を上げた。何の期待もしていなかった目が、ロランの持つ牢屋の鍵を見て輝く。「おお……そいつは!」「王の許可は取りました。ここから出られます」 ロランは鍵を錠前に差し込むと左右に回した。ガチャ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・119

ラゴスは、壁の中に作った穴に潜んでいた。脱獄を試みて穴を掘り始めたのだが、岩盤に当たってそれ以上進めなくなってしまったのだと言う。「いやー、ほんと間抜けだよね……。ボクとしたことがさ」 悪びれもせず笑うラゴスに、ルナが小声で怒った。「軽く言わ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・118

【消えたラゴス】 ペルポイ監獄は、町の北東にあった。無機質な四角い建造物は、よもやここまでという大きさで、ロラン達もあっけに取られて建物を見上げた。「すごい立派だね……」「選ばれし民の楽園みたいに言われてるけど、中でリンゴが腐ったのかしら」 …

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・117

【道具屋の謎】 道具屋ドラキーマは、中央通りの裏手にあった。黄色いドラキーが描かれた小さな看板からは、特に怪しさは感じない。ロラン達は、黒みがかった木の扉を開けた。「らっしゃい」 うっそりと答えたのは、カウンターに座る禿頭に黒髭の男だった。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・116

宿は、ホテル・ペルポイと看板が打ってあった。 上品な照明と調度に彩られた玄関広間に入ると、いらっしゃいませと制服を着た青年が頭を下げた。鷹揚にうなずき、カウンターに向かう3人を見て、逆に青年が驚いた顔をする。「すみません。一泊したいのですが…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・115

【地下都市ぺルポイ】 ルプガナから北北東に進路を取り、ロラン達の船は、ペルポイの町の南にある船着き場に着いた。かつては大きな港町だったが、ペルポイの町が地下に移動してからは、取引先であったこの町も廃れ、今では船着き場としての体裁をようやく整…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・114

【北の岬にて】 ムーンペタの町を出ると、ロラン達はすぐにルプガナへ飛んだ。 ランドのルーラの呪文があると、一瞬で目的地に着くことができる。とても便利な半面、世界が狭く感じられた。何日もかけて目的地まで歩いた旅が懐かしい。 船の旅は、その点でも…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・113

「このたびはお騒がせしました」 アネストの庵で、ロランは申し訳なく頭を下げた。自ら茶を振る舞いながら、賢者は少し意地悪く笑った。「よい。あの奇跡のおかげで、失墜した王家の権威が復活したのじゃからな。これこそ、雨降って地固まる、じゃろう」 サ…

ベビル2匹はロラン達が手強いと知り、標的を群衆に変えた。どうせやられるなら、少しでも多く道連れにしようと考えたのか。やけっぱちのように声高く鳴くと、背中合わせに羽ばたいてあたり一面に炎を吐き散らし、ベギラマを唱えた。たちまち空気が熱せられ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・111

「おい、やめろ!」 真っ先に叫んだのは、民衆の最前列にいたアレックだった。皆に向き直って懸命に呼びかける。「ルナ姫様が、どんな思いで討伐の旅を続けておられるか、考えたことがあるのか! 魔物の力は強大だ。一朝一夕に成し遂げられることではない。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・110

【王族の背負うもの】 ムーンペタの教会付近では、難民達のために仮設住宅の建設が急ぎ行われていた。冬が近づいて、さすがに天幕では寒さをしのげなくなってきたからである。 元ムーンブルク兵のアレックは、建材を運ぶ足を止め、額の汗を手の甲で拭った。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・109

ロトの盾は、部屋の中央にある金色の台座に、覆いもなく飾られていた。ひと目見て、ロランはあまりの美しさに胸を射抜かれた。 形状は逆三角形型に入るが、まるで竜の鱗を一枚切り出したかのように優美な輪郭をしている。 金の縁取りを施された表面は、碧玉…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・108

【ロトの盾】 サマルトリアは紅葉が始まっていた。世界一美しい森の国が、豊かな命の恵みを謳歌する季節である。 山々は鮮やかな黄や橙、赤が色彩を競い、常緑樹の緑と相まってまさしく錦絵のごとしだ。森に囲まれたサマルトリア城もまた、絢爛たる紅葉の衣…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・107

「ナリアさん?!」「そういうことだろうと思ったわ」 ナリアは苦笑していた。笑うと、厳しい面持ちが和らぐ。「お二人の演技に免じて、特別に入れてあげたけれど、あなたもトラマナが使えたなんてね」 ランドを見て、ナリアは言った。「すみません、だまし…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・106

日暮れになると、人通りもほとんどなかった。ロラン達が再び神殿前に来ると、奥からすぐにナリアが出てきた。人の気配に敏感らしい。「またあなた達ですか。もうここには用はないはず」「いいえ、ありますわ。実は私の仲間が、ここで婚礼を挙げたいと申しま…