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蒼雪庵

いまだに推敲中

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・199

「ロラン!」 力の盾で体力を回復させたランドとルナが、手をついて着地したロランに駆け寄ってきた。「やったあ、やったよぉロラン!」「うん、もうだめかと思ったけど……うわっ?!」 ロランはのけぞった。ルナがいきなり抱きついたのだ。「ルナ……」「勝っ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・198

雷鳴がとどろいていた。大蛇のような稲妻が周囲を駆け巡っている。「――っ!」 ロランは、拳で床を打った。「勝てないのか、どうやっても!」 拳を床に置いたまま、ロランは顔を上げなかった。ランドも沈痛にうつむいている。(本当に、本当にそうなの……?) …

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・197

【破壊神】 これが神だというのか。ロラン達は慄然としてそれを見上げた。 頭部に長く伸びた二本の白い角。顔の両脇には鰭(ひれ)が生え、鼻はなく、牙が生えそろった巨大な口はこめかみまで裂けている。 4本の腕は三本の鉤爪で虚空をつかみ、宙を泳ぐ足も…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・196

【ハーゴン】 広大な青白い結界に守られた薄暗い聖堂に、低い祝詞が響いていた。 巨大な邪神の像の足元には、なみなみと生き血を湛えた溝があった。邪神官ハーゴンはその前にひざまずき、一心に祈っていた。「……誰だ。我が祈りを邪魔する者は」 ロラン達が背…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・195

【ベリアル】 双塔を支える5階の階段は、左の塔につながっていた。終わりがないのではと思うほど長い階段を上りつめると、屋上に出た。正十字形になった頂上部の右――ロラン達から見れば正面から、床材を並べた細い橋が渡っている。橋には手すりがなかった。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・194

【バズズ】「よぉおおこそ」 嫌らしい笑みを満面に、紫色の猿魔が迎え出た。 悪霊の神々の一柱――狡猾の主、バズズである。 5階は、左右に壁と柱が断続的に並ぶ吹き抜けの回廊だった。バズズの背後に、双塔へつながる階段室が見える。 風が出始めていた。ま…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・193

刃はアトラスの足の甲を割った。鮮血が噴き、ロランの顔と胸元に飛び散る。アトラスが吼え、傷つけられた足を振り上げた。「くうっ!」 剣を手放すわけにはいかない。柄を握ったロランは乱暴に振り回された。稲妻の形をした刃はアトラスの肉に食いこみ、どん…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・192

【アトラス】 教壇の奥には、上階へ通じると思われる巨大な部屋があった。しかし、教壇の真後ろから部屋の外周にかけて、強力な結界が青白い光を放っている。部屋の内部は堅牢な壁に囲まれていて、見ることはできない。 ランドがトラマナの呪文をかけ、結界…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・191

「我が幻術が破られたか……」 幾千の蛇身が融合してできた十字架の前で、邪神官ハーゴンはつぶやいた。聖堂に据えられたかがり火が微かに揺らめいている。合わせて揺れるハーゴンの影よりもっと暗い影が、後ろに三体控えていた。 アトラス、バズズ、ベリアル…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・190

精霊ルビスの名を胸で唱えると、どこからともなく声が聞こえた。 ――ロランよ。今あなたが見ているのは、ハーゴンが作ったまやかしです。惑わされてはなりません。さあ、心の目を開き、すべてを見るのです……! ロランの目の前が真っ白な光に覆われていく。潮…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・189

「おお、ここにおられましたか、ロラン王子!」 若き近衛兵長のシルクスがロランを見つけて足早にやってきた。見知った顔にほっとして、ロランはシルクスに問いかけた。「シルクス、僕はどうやってここに来たんだ?」 シルクスは端正な顔をきょとんとさせた…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・188

第5章 悪霊の神々【やすらぎの城】 ハーゴンの神殿を目指して、ロラン達は雪に覆われた大森林を西へ歩いた。 道すがら、ルナがロランとランドに話した。元はベラヌールで大神官の地位に上りつめたハーゴンが、いかに邪神官になり、邪教を広めていったかを。…