蒼雪庵

いまだに推敲中

ルプガナ~アレフガルドにて

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・62

ランドは風に吹かれながら、船尾で船が水を掻くのを眺めていた。(どうしよう……言った方がいいかなぁ。でもなぁ……) 水面を見つめるランドの面持ちは硬かった。(気のせいかもしれないし……)「ここにいたのか」 ロランの声に、ランドははっとして振り向いた…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・61

【悪夢来たりて】 ラダトームから東の船着き場へ戻ったロラン達は、陸沿いに航路を取って北進し、アレフガルドの東側へ回り込んでいた。 目指すは竜王の島。海路だと、北アレフガルドの東にある海峡を西に進めば行けるのだが、島近辺の海流が複雑なため、か…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・60

ロラン達も用意された衣装に着替え、宴の場の一段高い所に座らされていた。 ロランは、青と銀を基調とした上着に白いシャツを着、肩で留めるマントを着けている。 ランドは緑と金を主にした膝丈のコートで、ロランより長い髪を留めるために、金の頭環(サー…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・59

「王様は休暇中だって。ものは言いようだわね」 ルナが厳しい目つきでつぶやく。ロランは、怒りこそ湧かなかったものの、同じ王族として情けない気持ちになった。自分の父は、少ない国費を裂いて国民を守ろうと努力しているというのに。「お城の図書室はどこ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・58

【勇者達の帰還】 世界の北西に、大地の精霊ルビスに祝福された地がある。 その名はアレフガルド。四つの島が複雑な地形を織りなしながら、正しく正方形に収まっている不思議な土地だ。 大地の精霊ルビスは、この世界を創造した存在だ。世界が始まった時、人…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・57

エレーネの立てた予定通り、ロラン達の船は3日目にルプガナ港へ帰港した。 迎えたルートンは無事を喜び、ロラン達は彼とともに宝を持ってマーフィーの仮の宿へ向かった。 財産が丸ごと戻ってきて、マーフィーは飛び跳ねて喜んだ。ロラン達が帰るまで、港に…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・56

ロランは水を蹴って潜っていった。素潜りもロランは得意だった。泳いでいると、少しだけローレシアが懐かしくなる。 夏になると近海で必ず泳いでいた。ランドやルナと会えない寂しさを、体を動かすことでまぎらわせていたのだ。ふいに甦ったせつなさを、水の…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・55

港の船はどれも帆船だが、風のない港湾でも自走していた。船尾に魔法力を注いで動く機関が付いており、螺旋状の推進器を動かして進む。 帆を畳んでいても、ゆるい速度ながら自由に走れるので、人が漕がなくても小回りが利き、岸壁に接岸できるのが利点だ。 …

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・54

【沈んだ財宝はいずこ】 ロラン達も同席していることにマーフィーは少しためらったが、テーブルでエレーネに温かいお茶をもらって落ち着くと、少しずつ話し始めた。「ペルポイへ向かう途中、急に嵐が来たんです。ここから北の沖でした。船は横波に転覆して沈…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・53

「エレーネはこの秋に結婚を控えておりましてな。魔物が町に入り込むなど滅多になかったので、本当に今回のことは奇跡でした。皆さんが通りがかってくれなかったら、今頃は……」「ええ……」 エレーネもうなずく。あらためて感謝をこめ、頭を下げた。「本当に助…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・52

心に何とも言えないひっかき傷を残され、3人がとぼとぼと帰り道を探していると、娘の悲鳴が聞こえてきた。ぼんやりしていた気持ちが、一気に戦闘のそれに切り替わる。「――やめてください! 私、おじいちゃんの所に帰らなきゃ……放してっ!」 とまどう声に、…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・51

「おっと」「あっ、ごめんなさい」 はしゃぎすぎて気づくのが遅れ、ルナは誰かと肩がぶつかった。軽く頭を下げかけたが、相手はルナを見てにんまりする。筋肉ではちきれそうな青い横縞の半袖シャツに革のズボン。どうやら船の乗組員のようだ。ひどく酔ってい…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・50

【機港都市ルプガナ】 ドラゴンの角北の塔からいったん北上し、東へ。ロラン達はついにルプガナの町へ到着した。「ここがルプガナか……。こんなに大きな町だったのか」「ねえねえ、見たことのない設備があるよ!」 町の入り口にたどり着いた時は日も西に傾い…