蒼雪庵

いまだに推敲中

2015-12-11から1日間の記事一覧

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・70

「どう思う、ロラン」 また3階へ戻りながら、ルナが訊いてきた。ロランはすぐに答えることができた。「旅の扉が、ベラヌールにあるんだ。きっとそれが、ロンダルキアのどこかにつながってるんだ」「そうよね。私もそう思ったわ。でも噂でしか伝わってないっ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・69

ランドの言い方はまわりくどかったが、つまり、かがり火のついていない部屋の階段は行かない方が良いということだ。他と明らかに違うからといって、それが正解とは限らないからである。 すると残るは三つ。選ぶ根拠もないので、一つ一つ確かめることにした。…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・68

ランドの予測通り、夕方、アレフガルドと大灯台島の中間で黒雲が湧き起こった。ルプガナから航海して初めての嵐だ。 船は横波に甲板を洗われ、上下左右に激しく揺れた。船や海に慣れたロランはともかく、ランドとルナがひどい船酔いに襲われた。「二人とも、…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・67

【星と老人】 薄闇の中、コウモリに似た翼を持つ紫の毛皮の大猿が床に浮かぶ大きな地図を見おろしていた。輝く三つの光点が、アレフガルド大陸から南へ移動している。 三つの光のうち、真ん中の一つは残る二つより光が弱々しかった。「ハァハァハ……。さすが…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・66

「それで、私達に助言とは?」 ルナが訊く。「この世界には、森羅万象を司る紋章が散らばっている。太陽、月、星、水、命の五つだ。それは物質ではなく、心に刻むもの。紋章にまつわる試練を乗り越えた者だけが宿すことができる。すべてを心に宿した時、大地…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・65

この世界は、大地の精霊ルビスが創ったものである。しかし、それ以前にこの次元にはもう一つの世界があった。 それが、〈上の世界〉である。 次元とは、同じ時間と空間を意味する。 勇者ロトは、その上の世界から落ちてきた者だという。 アレフガルドは、上…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・64

地下は広く、多くの通路へつながる階段があったが、不思議と迷うことなくロラン達は下へ下へと降りていった。地下6階まで降りると、広大な空間が3人を迎えた。「広い……」 上を見上げてロランは吐息をもらした。暗いせいで遠くの壁や天井が見えない。まるで…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・63

【竜王の島】 逆巻く波に囲まれ、切り立つ岩山が折り重なるようにして、その島はあった。かつて人間の絶望を喰らい、悲しみの涙で喉を潤した大魔王が住まい、勇者ロトがそれを討ち果たしたのち、今度は邪悪なる竜がそこをすみかにした。 人々はその島に名を…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・62

ランドは風に吹かれながら、船尾で船が水を掻くのを眺めていた。(どうしよう……言った方がいいかなぁ。でもなぁ……) 水面を見つめるランドの面持ちは硬かった。(気のせいかもしれないし……)「ここにいたのか」 ロランの声に、ランドははっとして振り向いた…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・61

【悪夢来たりて】 ラダトームから東の船着き場へ戻ったロラン達は、陸沿いに航路を取って北進し、アレフガルドの東側へ回り込んでいた。 目指すは竜王の島。海路だと、北アレフガルドの東にある海峡を西に進めば行けるのだが、島近辺の海流が複雑なため、か…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・60

ロラン達も用意された衣装に着替え、宴の場の一段高い所に座らされていた。 ロランは、青と銀を基調とした上着に白いシャツを着、肩で留めるマントを着けている。 ランドは緑と金を主にした膝丈のコートで、ロランより長い髪を留めるために、金の頭環(サー…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・59

「王様は休暇中だって。ものは言いようだわね」 ルナが厳しい目つきでつぶやく。ロランは、怒りこそ湧かなかったものの、同じ王族として情けない気持ちになった。自分の父は、少ない国費を裂いて国民を守ろうと努力しているというのに。「お城の図書室はどこ…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・58

【勇者達の帰還】 世界の北西に、大地の精霊ルビスに祝福された地がある。 その名はアレフガルド。四つの島が複雑な地形を織りなしながら、正しく正方形に収まっている不思議な土地だ。 大地の精霊ルビスは、この世界を創造した存在だ。世界が始まった時、人…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・57

エレーネの立てた予定通り、ロラン達の船は3日目にルプガナ港へ帰港した。 迎えたルートンは無事を喜び、ロラン達は彼とともに宝を持ってマーフィーの仮の宿へ向かった。 財産が丸ごと戻ってきて、マーフィーは飛び跳ねて喜んだ。ロラン達が帰るまで、港に…

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・56

ロランは水を蹴って潜っていった。素潜りもロランは得意だった。泳いでいると、少しだけローレシアが懐かしくなる。 夏になると近海で必ず泳いでいた。ランドやルナと会えない寂しさを、体を動かすことでまぎらわせていたのだ。ふいに甦ったせつなさを、水の…